がんばったね岩泉線

2010/12/04


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2010年の夏に土砂崩れに列車が突っ込んで早数カ月。ずいぶん復旧まで日数がかかるな…と気になり始めた。11月に車両の撤去が行われたので、まだまだか。
「岩泉線がんばれ」と書いても、路線自体がなにかを頑張るわけがなく、復旧しても赤字は変わらないと思われる。地元の人たちにとっても自宅には車があるし、物資輸送に鉄道を使っているわけでもない。「国道整備」という気持ちの方が高いかもしれない。

岩泉線の線路は、他で見たことがないくらいに細く古いレールが使われていた。もう廃止まで金をかけたくないという感じだった。線路を取り払って国道1車線の道路に加えて鉄道線をもう一車線として車道にしたほうが遥かに利便性が上がるのではないか。国道340号線は確かに道は狭いが材木を満載した大型トラックが行き来しているので、マイクロバスが走れないということは無いはず。道の狭い押角峠を越える人はそんなに大勢いるわけがないので、ちょっと大きいワンボックスカーとして、岩手大川ー岩泉間はもう一台マイクロバスを走らせれば地元の方々の輸送はまかなえるはず。

写真を撮りに行き、青春18切符持っていても「岩泉ランド」とか勝手に呼んで茂市で往復1480円の入園券(要は往復切符)を買ってビールを飲みながら往復したことも数回。「がんばれ、廃止するな、いつまでも走って欲しい。」と書くのは簡単だけど、列車を1往復走らせるだけでも経費はかかっている。復旧しても、あとは見てるだけ。岩泉線のことを気にもしない日が続くのが目に見えている。
そして廃線が決まるとどっと人が増える。

古ぼけた気キハ52がガタゴト走っていた頃は仕事が休めそうになると「撮りに行こうかな、乗ってみようかな」と思ったが、車両はキハ100系に置き換えられ、木造駅舎は取り壊されてしまったものも多い。
白熱灯が使われている街灯、煙突から煙の上がる夕方の風景や薪の燃えるにおいを除いて、静けさなどは実家のある神奈川と大きな違いはない。何年かに1回くらいは乗りに行きたいが、それだけで「がんばれ」とは書きたくなくなってきた。

2002.8.25撮影

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